トランジスタアレイ(ソースドライバ)の実験 [Arduino]
トランジスタが配列(Array)になっている部品です。
今回はその中でも「ソースドライバ」と呼ばれている「TD62783」(TD62784でも可)を使用します。基本的な動作は入力電圧の「デューティ比」によって任意の出力電流を得る事が出来ます。(8回路入りで最大500mA / Ch)
使用部品・材料
総額で約550円です。(Arduino本体の値段を除く)
| 部品/材料 | 値段 | 備考 |
|---|---|---|
| サンハヤト SAD-101 ニューブレッドボード | ¥500 | Amazon.com |
| トランジスタアレイ(8ch高耐圧ソースドライバ) TD62783AP | ¥50 | 秋月電子の通販コード(I-10801) |
| カーボン抵抗器 | 数円 | 51kΩ(2個)を使用。 |
配線図
ベース電流を制限する入力抵抗10kΩが内蔵されていますが、電気的特性の入力電流は「標準92μA」ですので、51kΩを加算して61kΩで約82μAにしています。
スケッチ(プログラム)
2.5秒毎に「9ピンはデューティ比6.25%」「10ピンはデューティ比3.125%」のPWM波を出力します。
それぞれ、デューティ比が異なりますのでデジタルテスターで「出力電流」をご確認ください。
void setup() {
Serial.begin(9600);
}
void loop() {
Serial.println("HIGH");
analogWrite(9,16);
analogWrite(10,8);
delay(2500);
Serial.println("LOW");
analogWrite(9,0);
analogWrite(10,0);
delay(2500);
}
実行例
analogWriteによるデューティ比
次はanalogWrite()によるデューティ比の実測値(例)です。
| 値 | デューティ比 | 出力電流 |
|---|---|---|
| 128 | 50% | 200mA |
| 64 | 25% | 114mA |
| 32 | 12.5% | 63mA |
| 16 | 6.25% | 36.2mA |
| 8 | 3.125% | 19mA |
| 4 | 1.5625% | 10.3mA |
| 2 | 0.78125% | 5.7mA |
| 1 | 0.390625% | 3.4mA |
上記は、PWM信号の周波数が490Hzでの一例となります。5,6ピンを使用した場合は異なる結果になりますのでご注意ください。
| 周波数 | Arduinoのピン番号 |
|---|---|
| 490Hz | 3,9,10,11 |
| 980Hz | 5,6 |
※デューティ比は50%迄しか計測していませんので、それ以上は各自で調査して下さい。
digitalWriteによるデューティ比
次はArduino UNO(クロック周波数16MHz)でdigitalWrite()を使用してデューティ比を表現する場合です。データシートにある「TPW = 25ms」を元に1周期の幅を25msとしています。
void setup() {
Serial.begin(9600);
pinMode(9,OUTPUT);
}
void loop() {
// HIGH時間 2.5ms
digitalWrite(9,HIGH);
delay(2);
delayMicroseconds(500);
// LOW時間 22.5ms
digitalWrite(9,LOW);
delay(22);
delayMicroseconds(500);
}
--- 実測値(例) ---
LOW時間は「25ms - HIGH時間」。
| HIGH時間 | 出力電流 |
|---|---|
| 12.5ms | 188mA |
| 10ms | 158mA |
| 8ms | 125mA |
| 6.5ms | 106mA |
| 5ms | 82mA |
| 4.5ms | 75.9mA |
| 4ms | 67mA |
| 3.5ms | 59.5mA |
| 3ms | 50mA |
| 2.5ms | 43.3mA |
| 2ms | 34.3mA |
| 1.5ms | 26.5mA |
| 1ms | 18.1mA |
| 0.5ms | 9.4mA |
digitalWrite()版でLEDの点灯を試すと「ちらつき」が激しいですので、本稼動するには「周波数を低く」する必要があります。
許容損失
TD62783APの許容損失は1.47Wです。
実際は85度の0.75Wが目安です。(推奨条件は0.52W)
0.75Wの場合は「0.75W ÷ 5V 」で最大150mA。0.52Wは「0.52W ÷ 5V」で最大104mAとなります。出力電流が500mAと謳っている割には使用できる出力電流が小さいです。
※3Vマイコンを基準にしているのかも知れませんね。(1.5W ÷ 3V)
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プチモンテ ※この記事を書いた人
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| 🎵 音楽制作 BGMは楽器(音源)さえあれば、何でも制作可能。歌モノは主にロック、バラード、ポップスを制作。歌詞は抒情詩、抒情的な楽曲が多い。楽曲制作は🔰2023年12月中旬 ~ | |









