コンデンサの充電及び放電時間、充電量の計算 [RC回路]
1. 充電及び放電時間の計算
供給電圧(V) | V |
抵抗値(R) | kΩ |
コンデンサ容量(C) | μF |
※小数点を入力可能です。
2. 時間指定の充電量の計算
供給電圧(V) | V |
抵抗値(R) | kΩ |
コンデンサ容量(C) | μF |
電圧の印加時間 | 秒 |
※小数点を入力可能です。
※IEEE 754(浮動小数点数演算標準)を採用している「JavaScript」で計算しています。
目次
1. 充電及び放電時間の計算
2. 時間指定の充電量の計算
3. 数式、公式
4. Arduinoによる充電、放電の実験
5. 参考サイト
3. 数式、公式
LOGやEXPはエクセルの関数形式で表現しています。
時定数(τ)
簡易的にコンデンサの充電及び放電量を算出する。
※τ(タウ)はミリ秒単位。Rは抵抗(kΩ単位)。Cはコンデンサ容量(μF単位)。
例)10kΩ、470μFの場合
4700ミリ秒 = 10 × 470
4.7秒 = 4700 ÷1000
4.7秒でコンデンサから36.78%が放電されます。
この割合は「ネイピア定数e」(2.71828182845904)を底とする数値のべき乗で「数値」を「-1」にすると0.367879441となります。この値が元になっています。
※エクセルだと「=EXP(-1)」で算出できます。
充電時間
コンデンサの電圧をVLからVH迄、充電する時間を算出する。
※t = 秒単位。
例)VL = 0, VH = 4.95 (0Vから4.95Vまでの充電時間)
放電時間
コンデンサの電圧をVHからVL迄、放電する時間を算出する。
※t = 秒単位。
例)VH = 4.95, VL = 0.01 (4.95Vから0.01Vまでの放電時間)
時間指定の充電量
時間を指定してコンデンサの充電量を算出する。
例)V=5,t=20,R=10kΩ,C=470μF
→20秒後のコンデンサの電圧は約4.92Vになります。
※VCはコンデンサの電圧。Vは供給電圧。t = 秒単位。
充電の割合を求める場合は次の公式を使用します。
コンデンサの直列接続
コンデンサを2つ直列接続した場合の合成静電容量を算出する。
※3つ以上も同様な算出方法です。
コンデンサの並列接続
コンデンサを2つ並列接続した場合の合成静電容量を算出する。
※3つ以上も同様な算出方法です。
※コンデンサの直列、並列の算出方法は抵抗器の直列、並列とは逆です。
4. Arduinoによる充電、放電の実験
使用部品・材料
総額で約280円です。(Arduino本体の値段を除く)
部品/材料 | 値段 | 備考 |
---|---|---|
ブレッドボード | ¥270 | 秋月電子の通販コード(P-00315) |
電解コンデンサー 470μF16V105℃(ルビコンWXA) | ¥10 | 秋月電子の通販コード(P-08426) |
カーボン抵抗器 | 数円 | 10kΩ(1個)を使用。 |
配線図
RC回路で抵抗(10kΩ)、コンデンサ(470μF)です。
スケッチ(プログラム)
コンデンサを99%充電する為に電圧を21秒間印加。その次に99%放電する為に29秒間、抵抗を通してGNDに接続します。
※コンデンサの1秒毎の電圧をシリアルモニターへ表示します。
int count = 0; boolean discharge = false; void setup() { Serial.begin(9600); pinMode(8,OUTPUT); digitalWrite(8,HIGH); Serial.println("コンデンサの充電開始"); delay(1000); } void loop() { count++; if(count <= 29){ Serial.print(count); Serial.print("秒 "); Serial.print(analogRead(A0) / 1024.0 * 5.0); Serial.print("V"); Serial.print("("); Serial.print(analogRead(A0)); Serial.println(")"); } if(count >= 21 && !discharge){ // 放電開始 digitalWrite(8,LOW); Serial.println("コンデンサの放電開始"); count = 0; discharge = true; } delay(1000); }
[99%の充電時間]
次の数式を計算すると「21.64秒」となる。(計算式は3章の充電時間)
[99%の放電時間]
次の数式を計算すると「29.16秒」となる。(計算式は3章の放電時間)
※充電時間のVHと放電時間のVHは同じにしています。
[時定数 - 充電量]
[時定数 - 放電量]
電源、抵抗、コンデンサの誤差によって、理論上の値と実際の値は異なる場合があります。
実行結果
これをグラフにすると次のようになります。
この実験の動画はこちらです。(デジタルテスターが安価なので上記の実行結果とは異なりますので参考程度にして下さい。)
5. 参考サイト(動画)
RC積分回路のコンデンサ電圧計算と時定数τについて『充電時間計算』
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