電気二重層コンデンサの実験 [Arduino]
電気二重層コンデンサ(EDLC)は大容量の電荷を蓄電できる電気二重層のコンデンサです。リアルタイムクロックのバックアップ電源やソーラーパネル電源の安定用などにご利用できます。
使用部品・材料
総額で約740円です。(Arduino本体の値段を除く)
部品/材料 | 値段 | 備考 |
---|---|---|
ブレッドボード | ¥270 | 秋月電子の通販コード(P-00315) |
電気二重層コンデンサー1F5.5V(薄型) SE-5R5-D105VYV | ¥100 | 秋月電子の通販コード(P-04249) |
NchパワーMOSFET 2SK703 100V5A (2個) | ¥120 | 秋月電子の通販コード(I-11616) |
5mm赤色LED OSDR5113A | ¥20 | 秋月電子の通販コード(I-11655) |
カーボン抵抗器 | 数円 | 10Ω(1個)、47Ω(1個)、220Ω(1個)を使用。 |
コネクタ付コード(みの虫×ジャンパーワイヤ) | ¥220 | 秋月電子の通販コード(C-08916) |
汎用整流用ダイオード 1000V1A 1N4007 | 数円 | 秋月電子の通販コード(I-00934) |
今回の電気二重層コンデンサはブレッドボードに刺さりませんので「みの虫」を使います。
配線図
コンデンサに35秒間、電圧を印加して電荷(電気エネルギー)を蓄電します。その後はコンデンサの電圧でLEDを点灯させます。
コンデンサのプラス、マイナス
次はMOSFETのデータシートより引用(2sk703.pdf)
[システムの流れ]
最初にコンデンサを充電する為に35秒間、デジタル8ピンがHIGHになります。その時にMOSFET(上)のGate(ゲート)端子に電圧が印加されます。そうすると、Drain(ドレイン)とSource(ソース)端子が「内部的に接続」(回路図左の点線)されます。Source端子は一方通行のダイオードを通り「コンデンサ、MOSFET(下)のDrain、アナログA0ピン」に接続されます。
コンデンサは充電中となり、アナログA0はコンデンサの電圧を計測します。MOSFET(下)のDrainにも流れますが、デジタル9ピンはLOWなのでGate端子に電圧が印加されません。なので、回路図の右側のDrainからSourceへ電流が流れます。ですが、途中に寄生ダイオードがありますので流れがストップされます。
システム起動から36秒以降はコンデンサを放電してLEDを点灯させる為に、デジタル8ピンがLOWになりデジタル9ピンがHIGHになります。
MOSFET(上)は5V電圧が10Ωの抵抗を通してDrainに流れますが、寄生ダイオードでストップされます。同じようにコンデンサから放電される電圧はダイオードがありますのでMOSFET(上)のSourceへは流れません。
コンデンサの電圧はアナログA0、MOSFET(下)のDrainに印加されます。
MOSFET(下)はGate端子に電圧が印加されているので、Drain(ドレイン)とSource(ソース)端子が「内部的に接続」(回路図左の点線)されます。それで、コンデンサの電圧は47Ωのプルアップ抵抗を通してLEDを点灯させます。
[抵抗値]
コンデンサの充電時間を短縮する為に10Ωを使用しています。大きな抵抗値を使用すると充電時間が長くなります。(これ以外にもコンデンサ内部には直列抵抗が最大10Ωあります。)
LEDの絶対最大定格の電流は30mA、順方向電圧(Forward Voltage)は1.8-2.5Vですので、抵抗値は47Ωとしました。(コンデンサを3V以上充電する場合は抵抗値を大きくしてください)
コンデンサの放電用の220Ωは適当です。余りにも小さすぎる抵抗値ですと電流が増えますのでArduinoを傷つけるのでご注意ください。
スケッチ(プログラム)
int count = 0; boolean discharge = false; void setup() { Serial.begin(9600); pinMode(8, OUTPUT); pinMode(9, OUTPUT); digitalWrite(8, HIGH); digitalWrite(9, LOW); Serial.println("コンデンサの充電開始"); delay(1000); } void loop() { count++; Serial.print(count); Serial.print("秒 "); Serial.print(analogRead(A0) / 1024.0 * 5.0); Serial.print("V"); Serial.print("("); Serial.print(analogRead(A0)); Serial.println(")"); if (count >= 35 && !discharge) { // LEDの点灯 digitalWrite(8, LOW); digitalWrite(9, HIGH); Serial.println("コンデンサの放電開始"); count = 0; discharge = true; } delay(1000); }
実行結果
コンデンサの電圧が「1.8V未満ぐらい」になるとLEDが消灯します。また、実験が終了した際にはコンデンサに蓄電された電圧を「放電用の220Ω」で完全に放電すると安全です。
最後に
今回の「電気二重層コンデンサ」の充電時間、放電時間の計算式が調査しても不明でしたので、実験扱いとさせて頂きます。
通常のコンデンサはコンデンサの充電及び放電時間、充電量の計算 [RC回路]をご覧ください。(こちらで計算すると「ある程度の目安」にはなります。)
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