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年金のまとめ

年金の「平均受給金額」の比較、年金を受給しながら働く「在職老齢年金」「何歳まで受給すれば得する?」「配偶者や子がいると年金加算」など予備知識としてご利用できるように国民年金、厚生年金、共済年金の情報をわかりやすくまとめてみました。

目次

1.年金の基礎知識
2.平均受給金額の比較
3.何歳まで受給すればお得?
4.配偶者がいると年金加算
5.年金を受給しながら働く
6.年金の繰上げ/繰下げ
7.年金と税金関係
8.国民年金の免除制度

年金の基礎知識

年金は1961年の国民年金法により開始されました。日本に居住する国民は原則、20歳以上60歳未満は公的年金に加入する事となっています。これを「国民皆年金」(こくみんかいねんきん)と言います。

国民年金の月額金額は15,040円(平成25年度)です。老齢基礎年金を受給するには年金を「25年」以上支払う必要があります。(受給資格期間) ※平成27年10月以降の受給資格期間は10年以上となる予定です。

国民年金を40年間支払った際の国民年金(老齢基礎年金)の支給額は月額64,875円、年額778,500円です。(平成25年度)

年金には国民年金、厚生年金、共済年金があります。この3種類の年金は「公的年金」と呼び、義務となります。一方、厚生年金基金・国民年金基金などは「私的年金」で任意です。

年金の体系図

年金は3階層。1階/2階は公的年金で義務、3階は私的年金で任意。

3階国民年金基金(等)厚生年金基金(等)職域加算-
2階-厚生年金共済年金-
1階国民年金(基礎年金)
-
種類第1号被保険者第2号被保険者第3号被保険者
職種自営業者等サラリーマン公務員等第2号の
扶養配偶者

※共済年金は平成27年10月から厚生年金に統一(予定)
※職域加算は平成27年10月から年金払い退職給付となる(予定)
※第3号被保険者は昭和61年4月1から適用が開始される

公的年金/私的年金の詳細

[公的年金]

大分類 中分類 小分類
老齢年金 国民年金
(老齢基礎年金)
-
厚生年金
(老齢厚生年金)
-
共済年金
(退職共済年金)
国家公務員共済組合
地方公務員等共済組合
私立学校教職員共済組合
農林漁業団体職員共済組合
障害年金 ※被保険者が法令で定められている障碍者になった時に受給できる年金
遺族年金 ※被保険者が死亡した時に遺族が受給できる年金

※共済年金は平成27年10月から厚生年金に統一(予定)

[私的年金]

大分類 小分類
国民年金 国民年金基金
確定拠出年金
企業年金 厚生年金基金
確定拠出年金
確定給付年金
適格退職年金
各種企業年金基金
共済年金 職域加算

※職域加算は平成27年10月から年金払い退職給付となる(予定)

平均受給金額の比較

平成25年1月現在の平均受給金額。

年金名称月額年間
国民年金老齢基礎年金54,790円657,480円
厚生年金老齢厚生年金151,495円1,817,940円
共済年金※平成27年10月から厚生年金に統一(予定)

※厚生年金には国民年金の金額も含まれています。
※共済年金は厚生年金と比べて保険料が安く受給金額が多い為、厚生年金に統一予定です。

国民年金の満額(40年間)

平成25年度の受給金額。

月額年間
64,875円778,500円

何歳まで受給すればお得?

何歳まで国民年金を受給すれば得する?

国民年金は約9.3年以上受給すると得することになります!
※65歳から年金を受給(平均寿命は女性が86歳、男性が80歳)

年数の計算は下記をご覧下さい。

分類月額年額40年間
年金支払い額15,040円180,480円7,219,200円

分類月額年額
受給金額64,875円778,500円

※年金支払い額・受給金額は平成25年度調べ。
※被保険者期間は40年で算出。

計算式
「元本を回収する年数 = 年金支払い額(40年間) ÷ 受給金額(年額)」

計算
9.27年 = 7,219,200円 ÷ 778,500円

よって、約9.3年となる。

何歳まで厚生年金を受給すれば得する?

厚生年金は約12年以上受給すると得することになります!
※65歳から年金を受給(平均寿命は女性が86歳、男性が80歳)

年数の計算は下記をご覧下さい。

[厚生年金]

分類月額年額40年間
年金支払い額25,680円308,160円12,326,400円

分類月額年額
受給金額85,383円1,024,600円

※年金支払い額は標準報酬月額306,344円で算出。(平成25年度調べ)
※受給金額には国民年金の金額は入っていません。
※被保険者期間は40年で算出。

計算式
「元本を回収する年数 = 年金支払い額(40年間) ÷ 受給金額(年額)」

計算
12.03年 = 12,326,400円 ÷ 1,024,600円

よって、約12年となる。

何歳まで共済年金を受給すれば得する?

※平成27年10月より厚生年金に統一(予定)

配偶者がいると年金加算

加給年金と特別加算とは?

厚生年金保険の被保険者期間が20年以上ある方で、配偶者(65歳未満)、子(18歳未満)がいる場合は年金が加算されます。(加給年金)

対象者加給年金額(年額)
配偶者224,000円
子(1-2人目)各224,000円
子(3人目以降)各74,600円

更に、老齢厚生年金を受けている方の生年月日により配偶者の加給年金額に33,000円~165,200円が特別加算されます。(加給年金の特別加算)

受給権者の生年月日特別加算額(年額)
昭和18年4月1日以前33,000円 ~ 132,200円
昭和18年4月2日以後165,200円

振替加算とは?

加給年金は配偶者が65歳になると打ち切られます。

その代わりに配偶者が老齢基礎年金を受給可能な場合は、配偶者の老齢基礎年金に一定の金額が加算されます。(振替加算)

[対象者(配偶者)]
・生年月日が大正15年4月2日 ~ 昭和41年4月1日生まれの方。
・厚生年金保険または共済組合等の加入期間が240月未満の方。
※生年月日が昭和26年4月1日以前の方は厚生年金保険または共済組合等の35歳以降の加入期間が15年~19年未満の方。(昭和25年度は19年、昭和24年度は18年・・・)

[振替加算金額]

生年月日振替加算額(年額)
大正15年度 ~ 昭和1年度224,000円
昭和2年度218,000円
昭和3年度212,100円
昭和4年度206,100円
昭和5年度200,000円
昭和6年度194,200円
昭和7年度188,200円
昭和8年度182,100円
昭和9年度176,300円
昭和10年度170,200円
昭和11年度164,200円
昭和12年度158,400円
昭和13年度152,300円
昭和14年度146,300円
昭和15年度140,400円
昭和16年度134,400円
昭和17年度128,400円
昭和18年度122,500円
昭和19年度116,500円
昭和20年度110,400円
昭和21年度104,600円
昭和22年度98,600円
昭和23年度92,500円
昭和24年度86,700円
昭和25年度80,600円
昭和26年度74,600円
昭和27年度68,800円
昭和28年度62,700円
昭和29年度56,700円
昭和30年度50,800円
昭和31年度44,800円
昭和32年度38,800円
昭和33年度32,900円
昭和34年度26,900円
昭和35年度20,800円
昭和36年度 ~ 昭和40年度15,000円
昭和41年4月2日以後-

加給年金、特別加算、振替加算を申請するには?

基本的に年金を請求する際の裁定請求書の各項目を正確に記入すればOKです。ですが念のためにお近くの年金事務所に電話連絡などで確認しましょう!

年金を受給しながら働く

年金を受給しながら働くには? (在職老齢年金)

老齢厚生年金を受給しながら働く場合は注意する必要があります。

[60-65歳未満の方]
「給与+年金」が月額28万円を超えると年金が減額又は支給停止されます。

28万円 <=
(月々の給与+賞与)/12 + (加給年金額を除いた老齢厚生年金(年額)/12)

[65歳以上の方]
「給与+年金」が月額46万円を超えると年金が減額又は支給停止されます。

46万円 <=
(月々の給与+賞与)/12 + (加給年金額を除いた老齢厚生年金(年額)/12)

在職老齢年金に関連する予備知識

[確定申告が必要]
年金を受給しながら働く場合は確定申告が必要となります。
※会社側と年金側の天引きで両方とも基礎控除38万円を使用するからです。

[本人が65歳、配偶者が60歳の場合]

本人が厚生年金の適用事業所で勤務している場合は厚生年金保険に加入

配偶者は60歳からは第3号扶養者にはならず国民年金に任意加入

※任意加入に関しては国民年金の支払い期間が満期(40年間)以外の方に限る。また、厚生年金保険は原則として70歳未満まで強制加入となります。(勤務時間にもよります)

年金の繰上げ/繰下げ

年金を早めに受給する事を「繰上げ」、遅れて受給する事を「繰下げ」と呼びます。繰上げは受給額が減り、繰下げは受給額が増えます。

年金の繰り上げ支給金額の利率

年齢利率
60歳-30% ~ -24.5%
61歳-24% ~ -18.5%
62歳-18% ~ -12.5%
63歳-12% ~ -6.5%
64歳-6% ~ -0.5%

年金の繰り下げ支給金額の利率

繰下げ受給の増額率は「月数 × +0.007%」となります。

年齢利率
66歳108.4% ~ 116.1%
67歳116.8% ~ 124.5%
68歳125.2% ~ 132.9%
69歳133.6% ~ 141.3%
70歳 ~142%

年金と税金関係

年金と住民税/所得税等の税金関係

年金が支給されていても「所得税、住民税や国民健康保険料」などの各種税金を支払う必要があります。

確定申告について

年金受給者は毎年、確定申告を行う必要がありましたが、平成23年度分から確定申告不要制度がはじまりました。

対象者は

「公的年金等の収入金額が400万円以下」または「公的年金等以外の所得が20万円以下」

となります。

年金を受給しながら働いている方や生命保険料控除、医療費控除等で所得税を還付する場合には確定申告が必要になります。また、確定申告不要制度といっても、年金から所得税は天引き(源泉徴収)されています。※収入が年金のみの方は65歳未満108万円以下、65歳以上158万円以下は非課税です。

確定申告を行わなかった場合で住民税で医療控除等を適用する場合は住民税申告が必要となります。

年金から天引きされる各種税金

税金等解説
所得税年金が課税対象の方のみ天引き。
介護保険料65歳以上で年金が18万円以上の方のみ天引き。
国民健康保険料(税)65歳以上75歳未満で年金が18万円以上の方のみ天引き。
後期高齢者医療保険料75歳以上で年金が18万円以上の方のみ天引き。
住民税65歳以上で年金が18万円以上の方のみ天引き。

年金が年額18万円以上あると自動的に各種税金が天引きされるシステムはやりすぎな気もしますが、天引きをしないと支払わない方が多いのが現実なのかも知れません。

国民年金の免除制度

国民年金の免除制度(保険料免除制度)

収入が少ない方は市役所で申請する事により国民年金を免除できます。

種類所得条件(前年所得)
全額免除(扶養親族等の数+1)×35万円+22万円 以内
4分の3免除78万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等 以内
半額免除118万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等 以内
4分の1免除158万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等 以内

※失業等をされた方は申請により所得条件なしで全額免除などになる場合があります。

国民年金の猶予制度(保険料納付猶予制度)

保険料納付猶予制度として若年者納付猶予、学生納付特例がありますが、結局、後には保険料を支払う必要があります。

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参考文献

日本年金機構(厚生労働省)
老齢厚生年金シミュレーション





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公開日:2015年09月23日 最終更新日:2016年01月15日
記事NO:01378